デュオドーパ治療とは

飲み薬では十分な治療が難しくなったパーキンソン病患者さんのために、カセットに入ったお薬を専用ポンプと
チューブを使って直接小腸に切れ目なく送り届ける投与システムによる治療法です。

デュオドーパ投与システム

デュオドーパ投与システムのイメージ画像

専用ポンプとチューブを用いて切れ目なくお薬を投与するシステムに より、お薬の安定した血中濃度を維持します。小腸に直接お薬を投与 することにより、お薬の安定した吸収を可能にします。

  • お薬の成分は主にレボドパとカルビドパで、パーキンソン病の飲み薬として広く使われているものです。
  • 使用にあたっては、胃ろうを開ける手術が必要です。
  • ポンプは、日中つけたままにして就寝前にはずします。投与は、起きている時間(最大16時間)です。
ポンプ・カセットのイメージ画像

デュオドーパ治療をはじめるタイミング

病気の進行とともに、通常の飲み薬や貼り薬では十分な効果がでなくなり、重度のウェアリングオフジスキネジアなどが現れてきたときです。ウェアリングオフジスキネジアが出てくる理由は、お薬の効果が出る血中濃度の幅(有効治療域)が狭くなるためだと言われています。
また、お薬の吸収もだんだん不安定になるため、それまでの治療では十分な効果が出なくなることがあります。

症状の進行についてのイメージ画像

ウェアリングオフとは?

パーキンソン病のお薬のレボドバを飲むと、パーキンソン病の症状がよくなりますが、飲んで2〜3時間経つと、お薬の効果が切れて症状が戻ってくる現象です。

ウェアリングオフのイメージ画像

ジスキネジアとは?

レボドバが効いている時間帯に手足が勝手に動く症状です。
ウェアリングオフが出始めた時期から少し遅れて出てくることが多いです。

ジスキネジアのイメージ画像

デュオドーパ治療のメリット

①新たな投与システムで、お薬の安定した血中濃度を維持することができます。また、小腸に直接お薬を投与することにより、お薬の安定した吸収を可能にします。

オフの時間が少なくなることが期待できます

②胃ろうを造る前に鼻からお薬を投与することによって、事前にお薬の効果や安全性を確認できます。

デュオドーパ治療導入のステップのイメージ画像

デュオドーパ治療導入のステップ1,2,3

デュオドーパ治療について理解され、実際に使ってみようと思われる患者さんには、
安全で有効な治療を行うため、導入までに次のような3つのステップを経ていただきます。

飲み薬を切り替える

  • 1. 外来 入院

    使用中のパーキンソン病治療薬を中止し、
    使用するお薬と同じ成分の飲み薬を飲んで、自分に合ったお薬の適量を確認します。

薬の服用のイメージ画像

鼻のチューブからお薬を投与する

  • 1. 入院

    お薬の適量を確認後、チューブ(NJチューブ)を鼻から入れ小腸まで延ばして固定します。

  • 2. 入院

    鼻から通したチューブ(NJチューブ)とポンプを使ってお薬を投与し、実際に小腸から吸収した場合の適量と安全性を確認します。

鼻のチューブから薬を投与するイメージ画像

胃ろうのチューブからお薬を投与する

  • 1. 入院

    胃ろうを造る処置を行います。

  • 2. 入院

    胃ろうから小腸まで延ばしたチューブ
    (PEG-Jチューブ)とポンプを用いて、
    治療を開始します。

  • 3. 外来

    退院後は、定期的に医療機関で診察を受けたり、自宅で訪問看護師による支援を受けたりしながら、治療を続けます。

胃ろうのチューブから薬を投与するのイメージ画像